ワコールホールディングス(HD)は4月25日、子会社の「ウンナナクール」が販売したパジャマが、衣服に火が着火すると瞬間的に火が回る「表面フラッシュ」と呼ばれる現象が発生する恐れがあるとして、約1万枚を自主回収すると発表しました。
実際に着火したケースは6件あるとの報告がありますが現在のところ怪我人はでていないということです。
今回問題となった、衣服に着火すると火が回るという聞き慣れない「表面フラッシュ」とはどんな現象なのか?
その現象の意味や着火に対する防止策などをまとめてみました。
表面フラッシュ現象とは何?なぜ起きる?
表面フラッシュとは、
生地表面の毛羽から引火し、一瞬にして衣服全体に火がまわる(走る)現象。
「フラッシュスプレッド現象」という呼称もある。
綿・レーヨン・キュプラなどの素材で「毛羽」のあるもの(ネル地など)が、特に危険とされている。洗濯を重ねるうちに毛羽立ちは著しくなる傾向にあるウキペディアより引用
とあります。
つまり、ある特定の素材を使った生地や条件の衣服に火が付くと、瞬間的に一気にその火が衣服全体に回ってしまうということですね。
今回ワコールの子会社であるウンナナクールが発売したパジャマが、そのような素材で実際に火が回る被害が起こってしまい、自主回収となったということです。
それにしてもこんな危険な素材の衣類が1万枚も出回ってしまっているというのは非常に危険ですね。
今のところ怪我人が出ていないというのは幸いです。
一刻も早く、すべての対象の衣類が回収されることを祈ります。
表面フラッシュ現象の対処法、防止策は?
この表面フラッシュというのは防ぐことはできるのでしょうか?
表面フラッシュ現象を起こしやすい衣料品の素材や形状として、綿・レーヨンなどの燃えやすいセルロース系繊維が多く混用されているもの、かつ生地の毛羽立ちの多いものが考えられております。
表面フラッシュ現象が起きやすい衣類をまとめると、
・綿やレーヨン等の易燃性のセルロース系繊維素材
・ネル地等のように生地の表面に細い繊維が起毛されていて、毛羽の間隔がある程度あり空気を含みやすい形状
・生地の表面が静電気等で毛羽立っている
・乾燥している
という素材や条件となります。
まずはこれらの条件を把握しておくこと、火を扱う際にはこれらの条件の衣類を着ていないか確認を怠らないことが重要となってきます。
ガスコンロでの調理などは特に気をつけましょう。
着衣着火を徹底的に防ぎたい方は電気コンロに切り替えることも考えるのもよいかと思われます。
実際に過去にこのような被害例の報告もあります。
料理を作っていたら、衣服のそで口に火がつき、たちまちのうちに燃え上がりやけどした……、
何らかの原因で人が着ている衣服に火がつく「着衣着火」の事故情報が、国民生活センター危害情報システムに多数寄せられている。これらの多くが通院や入院を要する重症事故で、なかには全身大やけどを負い死亡したという痛ましい例もある。
「着衣着火」は、すべての消費者に起こりうる危険であるにもかかわらず、危険の大きさを知っている消費者は少ないと思われる。国民生活センターのホームページより引用
何気ない日常の中に潜む恐ろしい危険性ですね。
今まであまり世間で話題になることもなかったように感じます。
今回のウンナナクールのパジャマ自主回収の件で、この着衣着火の危険性が世の中に少しでも広まることを願います。
表面フラッシュ現象の動画
こちらは実際にその表面フラッシュ現象が起こったときの動画です。
一瞬にして衣服に火が燃え移っていますね!
そのまま服が全焼してしますという感じではありませんが、火が広がることによってその他の燃えやすいものに引火してしまう危険が十分考えられますね。
まとめ
今回表面フラッシュ現象を起こしてしまう衣類を自主回収したワコールホールディングス子会社のウンナナクール。
購入した消費者への呼びかけを強め、危険な衣類の一刻も早い回収が急がれます。