先日、日本アカデミー賞の発表がありました。
綾瀬はるかや吉永小百合らを抑えて、安藤サクラが最優秀主演女優賞を受賞しました。
メジャーな映画が並ぶ中、クチコミで徐々に上映館数を増やしていった「百円の恋」。
#日本アカデミー賞 最優秀主演女優賞は『百円の恋』で体当たりの演技を魅せてくれた安藤サクラ。 https://t.co/DogtwuQ4yi pic.twitter.com/McfFJMkVbw
— iTunes Japan (@iTunesJapan) March 4, 2016
制作費も製作時間も限られた中で、役者たちの演技が光り、脚本賞と共に、最優秀主演女優賞を受賞しました。
その映画の内容や、役者について詳しくみていきたいと思います。
主役安藤サクラが劇中で見せた見事な肉体改造
主役の安藤サクラは、本作でボクシングを始める主人公の役を熱演しています。
長い間実家でひきこもり生活をして、怠惰な生活と怠惰な肉体になっていた体型を3日間演じ、その後10日あまりで減量して肉体を改造していくというとてもハードな役作りをしていました。
男性が太った役をするために増量したり、病気の役をするのに減量したりはよく聞きますが、女性が、しかもこんな短期間に減量をし、体を鍛え上げたとは並大抵の苦労ではなかったと思います。
オーディションで決められたという本作の主役。
オーディションから勝ち進み、その脚本を読んでとても熱いものを心に秘めていたのかもしれません。
劇中では、「演じている」という感覚が全くせず、本当の話であるように、とてもリアルに主人公の成長の様子が描かれていました。
海外のアカデミー賞にも、代表作として出品された今作、一度見る価値大アリです。
https://twitter.com/100yen_koi/status/705764540198195201
脇を固めた新井浩文の演技力は?
安藤サクラ演じる一子が憧れて、恋心を抱く男性役を新井浩文が熱演しています。
寡黙で何を考えているのか分からないように見える役ですが、ボクシングに熱を注いでいて、劇中でも絶妙な距離感で、主人公一子によりそっていきます。
いろいろなドラマや映画に出演し、その度にタイプの異なった役を演じわける新井浩文。
役を引きずることは全くないと以前対談で話していましたが、彼もとてもストイックな役者さんであるなぁと感じます。
今回の授賞式では、「最優秀主演女優賞は絶対ないだろうから、もし取ったら俺泣くわ!」と安藤サクラに話していたそう。
しかし、受賞が発表されても泣いていないことを安藤サクラは受賞コメントで発表していました。
クールでサバサバした性格のようです。
劇中では、そんな安藤サクラと新井浩文のとても自然体で存在感のある演技が見物です。
主人公一子を支える家族
安藤サクラ演じる一子の母親役には、稲川実代子が、そして父親役には、伊藤洋三郎が名を連ねています。
あまり耳にしたことのない役者さんですが共に、劇団や舞台で活躍をする実力派なようです。
母親は、引きこもりのわが子を心配の目で見ながら、温かく見守っていました。
主人公一子には少々あまくこっそりお小遣いを渡してしまうような母親です。
父は、仕事をせず放浪しているダメな人で、しかしながらここぞという場面では、主人公一子を励まします。
2人とも目立った出番こそないものの、わが子を陰ながら支える優しい両親をリアルに演じています。
そうして、一子が引きこもり生活をやめて、家を出るきっかけとなった妹役を早織が演じています。
数々のテレビや映画で脇を固めてきた彼女。
主人公一子との姉妹げんかのシーンはとても迫力があり劇中に引き込まれる凄みがあります。
この姉妹のやりとりや、ボクシングを始めた一子を見守る妹の姿も劇中では見物です。
百円の恋 上映&レンタル情報
百円の恋 上映情報
残念ながらほとんどで終了しています。
百円の恋の公式HP映画館情報はこちらです。
百円の恋 レンタル情報
百円の恋はレンタルでも必見の価値ありです!
貸出開始日:2015/06/10
収録時間:113分
単品価格:480円(会員は380円)
DMMでの感想一部
安藤サクラの演技を初めて見ましたが、自然で凄く引き込まれたし、数々の賞を受賞するのも納得という感じでした。ストーリーは、女版ロッキーといった感じだけど、リアリティーがあって、自分が主人公になったかのような気持ちで見ることができ、涙出まくりました。先日観に行ったスターウォーズよりよっぽど感動しました。
もう安藤サクラさんの映画です。
事務所の力関係で主演が決まる今の日本映画で、プロの役者が絶滅危惧種になってしまっている中、本物の役者がプロの仕事をすれば、凄い作品になることを安藤サクラさんは示してくれています。
本物の凄みに圧倒されました。
まとめ
日本アカデミー賞、最優秀脚本賞と、最優秀主演女優賞を受賞し、海外のアカデミー賞にも出品された「百円の恋」。
個性派の役者たちの名演技によって支えられた本作品。
全員が熱い思いを込めて今作に取り組んでいたことが想像されます。
撮影期間わずか2週間という過酷な状況下で、団結を強め、よりよい映画を作ろうと必死になった撮影陣の努力の結晶が今回の受賞に繋がったと言えると思います。