運動会シーズンが近づき、組体操を行うかどうかが話題になっている学校が多いと思います。
過去の組体操での事故の実態がどのようなものか解説します。
組体操の実施の可否に関して、安全な方法があるのかも調査しました。
学校の責任者である校長先生はどう考えているのかも市内の近所の小学校で確認しました。
運動会で安心・安全な組体操が行えるかどうかの判断のためにご利用ください。
組体操の事故事例
ある調査によると、学校の組体操で障害の残った事故は1983年から2013年の間に88件が発生しています。
その事故事例の詳細を確認すると、1988年に愛媛県の小学校で卒業の記念アルバムの作成で実施していた人間ピラミッドが崩れて、卒業生が圧死するという悲惨なものがあります。
1990年には福岡県の高校で8段ピラミッドが崩落して、高校三年生の男子生徒が首の骨を折って、脊髄損傷という重い後遺症になった事例が報告されています。
その他にも静岡県の中学では組体操が崩れて下敷きになった生が頸椎骨折、福岡の県立高校の男子生徒が肩車で後頭部から落下して、首の骨を折り後遺症になっています。
こうした事故事例はたくさん見られますので、事故にならない対策が必要だと私は思います。
組体操を安全におこなう方法や技は?
先ほど示した事故事例から高等裁判所での判例で5段以上のピラミッドでは危険で、学校に過失があるとされました。
そのために国は確実に安全を確保できない場合には実施を見合わせるように通達しました。
これらの対策として、東京都北区では体育教師らを対象にした組体操の講習会を行いました。
指導したのは日本体育大学の体操研究室の伊藤由美子准教授。
伊藤准教授はピラミッドやタワーの大技ではなくて、人と人が互いの力を貸し借りしながら触れ合うのが、組体操の目的としています。
手をつないで回ったり、音楽に合わせてサイドステップを踏む動きなどを提案しています。
こうした組体操ならば安全な組体操が実施できそうです。
組体操を校長先生はどう考えているのか?
たとえば、袖ケ浦市の市内には6つの小学校があります。
最近行われた校長会で運動会の組体操が話題になり、3人の校長先生は今年の運動会での組体操は実施しないと判断したようです。
私の住んでいる近くの小学校の校長先生は生徒たちが互いに協力して、バランスなどの感覚を養うのは必要だとお話していました。
そこでピラミッドやタワーという形ではなく、マスゲームのような形を変えた組体操を実施したいと考えているとのお話しでした。
前項でも示したように組体操の目的を考慮した安全な形で子供たちが互いに協力するというものが、どのようになるか私は先日届いた運動会の案内状を見ながら楽しみにしています。
組体操に対する意見や考察!
組体操での事故が多いことから実施しないという学校が増えています。
しかし一方ではなやかに見せるために組体操が高難度化し、巨大化が進んでいる例もあります。
多くの学校ではむつかしい形を外し、体力の弱い女子では行わずに男子だけとする傾向が多いようです。
組体操は事故などの危険があるからやめてしまうというのはあまりにも浅はかな考えのようにも思います。
日本体育大学の伊藤准教授の講習会に参加した体育教師は「組体操も工夫次第で多くのバリエーションが広がる」との感想を述べています。
伊藤准教授の日本体育大学体操研究室では、運動会や体育祭の参考にしてほしいとの安全な組体操の動画をネットの投稿サイトで公開しています。
私はそのサイトを確認しましたが、人数や難易度と狙いなどの組み合わせで安全な組体操ができそうだなと思いました。
安全な組体操の動画
こうした情報を全国の学校でも取り入れて、運動会や体育祭で多人数の組体操を楽しく実施してほしいと思います。
組体操でケガした場合の訴訟や抗議方法
組体操での事故の例での訴訟で高等裁判所は5段以上のピラミッドは危険であり、実施した学校側に過失があるとの判例を示しています。
こうした点を考慮すると、安全に考慮しないで実施された組体操でケガした場合は訴訟が受理されると思います。
運動会の4段ピラミッドの練習中にケガした小学生の場合にも学校側に過失を認めて、苦痛に対する賠償金の支払いを認めています。
こうした点から組体操でケガした場合には学校に対して、ケガした時の安全確保などの確認を保護者から行うのが良いと考えます。
まとめ
高難度化し、巨大化した組体操での後遺症の残った事故の例を示しました。
組体操を安全に行う方法は日本体育大学体操教室の推奨しているもの示しました。
小学校の校長先生もいたずらに組体操を避けるだけでなく、子供たちが協力し合う形で行うことを検討しているようです。
万が一ケガをした場合にはその実態を学校に確認しましょう。
今年の運動会では子供たちが楽しく行う組体操を楽しみたいと思います。